■通勤手当を不正に受けていることが発覚した時にどう対応をするか
会社が通勤手当の支給をしているにもかかわらず、それが何らかの要因により従業員のポケットに入っていたという経験をされている会社もあるかもしれません。いざ聴き取りをしてみるとまったく悪気がないというケースも見受けられます。
【不正の種類は様々】
会社から通勤手当を支給した額そのものが通勤のための費用として使われていないことを「不正」という定義にするのであれば、種類は様々です。
・家から駅までバスと申請していて家族に車で駅まで送ってもらっている
・地下鉄を利用すると申請していて自転車で通勤している
・引っ越しをして会社の近くに住んでいるのに従前の家までの通勤手当を受けている
・定期を購入していると申請していて定期券を購入せず天気の良い日は歩いて通勤をしている
・金額の高い交通手段で申請をしていて安い交通手段で実際には通勤をしている
・有料の駐輪場を利用していると申請していて実際には無料の駐輪場を利用している
・車で来ていると申請していて、実際には友達と交替で相乗りして出勤・退勤をしている
会社はそれぐらいいいじゃないかと思っていても、従業員間で不満となることもありますので一定の規制は必要でしょう。
【通勤手当=実費であること・不正があった場合は返金ということを明確にする】
まずは何をしなければいけないかというと給与に関する規程において、通勤手当は通勤にかかる実費であることを明確にしましょう。「通勤手当は申請されたものに基づき支給する」というような曖昧なものはすぐに変更をしましょう。
また、不正があった場合には、返金をしなければならないということも明確にしましょう。一度受けたものは返金をしなくても良いと従業員の皆さんが考えているケースもあります。
【何が不正に当たるのかを記載する】
通勤手当の不正受給は、従業員が嘘をついているという自覚がある場合と、「それくらいいいだろう」と何の自覚もない場合があります。
何が不正に当たるのか明確にされていない場合が多く、従業員が会社に申請するための書類がある場合は、その申請書にも不正受給について触れておくと良いでしょう。
端的に言うと、経済的な経路(費用)とかかる通勤時間のバランスを考慮ということですが、地域によって検討する事項がありますので整理した上で規程や申請書に記載をすると良いでしょう。
【処分を検討する前に】
通勤手当の不正受給は、会社に虚偽の申請をしていることから処分という話が出てくるかもしれません。
処分をする前に検証しなければいけない事項はたくさんあります!
順番がありますので慎重に検討をしてから行いましょう
中部労務管理センターでは、このような不正受給が起きないよう入念な打ち合わせをした上で規程を作成しております。通勤手当は奥が深いねとお言葉をいただくことがあります(笑)。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月26日掲載-73)