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■残業手当を支払わないという書面があれば支払いをしなくても良いのか

先日の労務管理ポケットメモで載せた「残業は業界の常識」という流れがあるように、いわゆる「修行」と表現がされる仕事は労働基準法の遵守に疎い点があるかもしれません。
 
 がむしゃらにやるから何かを達成することができるということはあると思いますので理解できない話ではないのですが、何かが達成できるから労働基準法を遵守しなくても良いということではないので意識そのものを変える必要があるのでしょうね。
 
 残業代を支払わないという示し合わせの書面があったため残業代を支払っていなかったという事業所の報道がされました。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:朝日新聞デジタル)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170426-00000006-kyt-soci 
 

【残業代を支払わないという書面は労働基準法には通用しない】

報道にもあるように使用者と労働者の間で「残業代を支払わない」という書面が交わされていたとしても、今回の報道のように指摘をされてしまうと
まったく効果がありません
 
 むしろそのような書面があったのかと批判を受けることになってしまいます。書面の名称が契約書であろうと、覚書であろうと、労使協定であろうと同意書であろうと関係ありません。
 

【労働時間を把握していないことは白紙委任状を渡しているとも言える】

会社が労働時間を把握していないという状況で問題が起こることがありますが、労働時間を把握していないのに「○時間分で○円を支払う」という結論がどうやって出てくるかと言えば、従業員が記録していたものだったり、パソコンのログであったり、建物のセキュリティだったり労働時間であると考えられるデータを使うことになるのですね。
 
 会社としては、本来は労働時間を適正に把握しなければならないこととなっているにもかかわらず、それを果たしていないということになり、場合によっては他のデータにすべてを委ねることになってしまう訳です。
 

【労働時間の管理について労働基準監督署は厳しい目線でチェックする】

労働時間が適正に把握をされているか、数多くの事業所を見ている労働基準監督官は、厳しい目線でチェックをしています。
 
 場合によっては、投書や通報で会社のどこに不備があるのかということを把握していることもあります。これから到来する働き方改革時代に向けて労働時間の把握は非常に重要な事項になりますので実践をしていきましょう。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月27日掲載-74)