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■労働基準監督署の調査で「前の調査では指摘がなかった」は意味があるか

過去の労働基準監督署の調査や他の事業所で実施された調査では、指摘をうけなかったのに、今回の調査では指摘を受けてしまうという事例は珍しいことではありません。
 
 そんな時に言いたくなってしまう言葉が、「前の調査では指摘がなかったよ」という言葉ですね。言ってもまったく意味がない場合と意味がある場合の両方があります。
 
 

【その言葉の後に何が続くのか】

「前の調査では指摘がなかったよ」の後に続くものが
 
・だから今回も指摘をしないで欲しい
・労働基準監督署のミスではないですか?
・前回大丈夫だったものがなぜ今回は言われなくてはならないのか
 
という類のものであれば、まったく言う意味がありません
 
 前の調査が、何をきっかけに、どこに重点を置いて行われたかわかりませんが、現在の状況を調査した結果、労働基準法違反や指導をするべき事項があるのであれば結果は変わりません
 
 場合によっては、より重大な事項を先に是正するために実施していることもあります。優先順位の関係で言われていないだけかもしれないのです。
 
 一般的にはこの言葉を発してお互いの今後のやり取りがより円滑の行うことができるようになるとは考えづらいので意味がないのであればやめておきましょう。
 

【もし一連の調査の間に起こったことであれば意味があることも】

1回の調査で何回か労働基準監督署に足を運ぶことになりますが、一連の調査の過程で、同じ資料を見せているにもかかわらず、新たに指導を受けたのであれば意味があることもあります。
 
 特に是正対応をしなくてはいけない事項が多い時に、後から指導を受けた事項について、是正期日を延ばしてもらうことができるという点で意味があります。
 
 「前の調査では指摘がなかったよ」の後に続くものが、「他にもやらなくてはいけない仕事があるから是正期日には間に合わなさそう」という時には使っても良いでしょう。担当官もわかっているはずですから何らかの配慮があると思います。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月28日掲載-75)