■有効な始末書・顛末書とは
「・・・深く反省いたします」と印字された書面に署名・捺印された始末書の効果に疑問を感じたことがある方もおみえになるのではないでしょうか?
この方法により実際に起こった事案の記録となることから一定の効果は存在するのですが、より有効なものにしていくために下記のことをお勧めいたします。
【事実を正確に把握したい】
事案の事実を書くということがうまくいかないことが見受けられます。
なぜ始末書を書くに至ったかということを労働者・使用者がともに正確に把握しない限り改善にはつながりません。「正直に書くと会社に怒られる」という気持ちや「特に悪いことをしたと思っていない」という鈍感さが影響をしていることもあるようです。
内容にもよりますが、正確な情報を会社に公表するということを評価してあげることも検討する必要があります。処分よりも再発防止を優先させるべきだからです。
【改善方法・意識すべき内容を記載してもらう】
起こったことに対して反省をして終わりではなく、今後の改善方法や行動するに当たり意識すべき内容を記載してもらいましょう。
何をするかが明確になるだけではなく、宣言したことができているかいないかチェックをすることができます。反省をすることもさることながら、起こった事案に対する反省が、どのように活かされ、どのように行動を変化させたのかが重要です。
時には生きた教科書になってもらうことも良いでしょう。テレビ番組でも高視聴率のようですが、「しくじった話」は活かし方によってはプライスレスの教育になります。
【振り返る機会をつくる】
改善方法を実施したか、その後の行動はどうかということを振り返ることで再度の引き締めの効果が期待できます。
一方で蒸し返しとなり良かれと思ったことがマイナス効果を及ぼすこともありますので管理職と2人きりの面談で実施するなど方法には配慮が必要です。
事案によりますが、就業規則に基づく重い懲戒処分を課す場合においては、
顛末書において事実を把握するまでに留めましょう。トラブルに発展させないためにも、実施の際には事前にご相談ください。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年5月17日掲載-94)