■労働基準監督署に「従業員が帰ってくれなかった」は通じるか
労働基準監督署が労働基準法違反で書類送検をしたという報道が相次いでいますが、今回の事例ではすでに労災の認定もされており、経営者も従業員も望まない状態になってしまっているものです。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170605-00000546-san-soci
【従業員が帰ってくれないと考える経営者はどうするべきか】
今回の事例で「従業員が帰ってくれなかった」という経営者の発言が報道されていますが、労働基準監督署にこのように説明をしたとしても特段の効果はありません。
従業員を早く帰したいと考えているのであれば、経営者自身が会社に残って帰るまで指示を出し、従業員が不安を抱えているのであればその不安を払拭できるよう仕事の調整をして強制的に退勤をさせるくらいまでの努力が必要でしょう。ただ、「帰ってね」という発言をしただけではダメなのですね。
社長が強制的に消灯をして、従業員を帰らせてもなお従業員が鍵を開けて仕事をするのであれば、鍵を渡さないようにして、このような実例を経験したことはありませんが、鍵がなくてもなお従業員が窓ガラスを割って仕事をしてしまうのですというようなところまでいけば労働基準監督署も努力をしていると思ってもらえるかもしれません。
【従業員は帰りたくても帰れないと考えているケースも】
経営者としては、従業員が帰ってくれないと思っていたとしても、従業員がそのように認識していることは圧倒的に少ないでしょう。
いざ蓋を開けて見ると、従業員としては、帰りたいけど帰れないとか残業をせずに帰ったら明日の仕事が立ちゆかないからやるしかないと考えているケースが大半です。
良いか悪いかは置いておくとして、場合によっては、社長が先に帰って何も従業員のことを気にしてくれないという双方に壁があることが明白な意見さえ出てくることがあります。
【働き方改革に伴って残業を減らすためのルールも検討】
ノー残業デーの導入や強制的な消灯、時差勤務の導入や労働時間削減を目的とした賃金制度など各社が様々な対応を検討しています。
気を付けなくてはいけないのは言っているだけだと従業員に呆れられてしまうことがないようにしなくてはありません。
就業規則に記載をして、具体的な行動に移すことが重要です。就業規則に記載する時には導入する事項によっていろいろな点に派生しますから事前に相談をしてください!
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年6月7日掲載-115)