■「のろま」や「使えない」などの発言はパワハラとなるか
全国の労働局が受けている労働紛争相談において、相談者がパワハラと捉えているものに関する相談が過去最多となったことに関する報道がされました。パワハラという言葉が浸透してきたこともある反面、指導とパワハラの境界線があいまいなこともあって「これはパワハラではないか??」という種類の相談も多いのではないかと筆者は考えています。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170616-00000560-san-bus_all
【職場のパワハラについて厚生労働省はどう定義しているか】
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為であると厚生労働省は定義しています。
ここの中の業務の適正な範囲があいまいになってしまうのですね。しかし、誰もが範囲を超えているというようなことであればパワハラとなります。
「のろま」や「使えない」という発言は、悪口の一種であって、業務の適正ない範囲内とはいえません。一方で教育や指揮命令の一環(業務の適正な範囲であることは変わらない)で発言をすることについては、パワハラには該当をしません。
パワハラで認識がずれやすいのは、自身が思っているよりも相手はパワハラと捉える可能性は高いということです。これくらいではパワハラにならないだろうと安易に考えてしまうことは危険です。自分の時はこうだったからということも危険といえるでしょう。
【無視や暴力は論外】
発言に対してパワハラと言われるのであれば、もう何も言いたくないという考えに至り、特定の人に対して何も言わないし何も聞かないという行動をとってしまう例がありますが、これもパワハラにあたる可能性が高い行動になります。
職場の人づきあいが苦手だったり、業務のプレッシャーからつい強要をしてしまうことがあるのですが、ますはシンプルに自分がされて嫌なことは相手にもしないことです。そして自分はこのくらいならされても平気だということが屁理屈に聞こえてしまうようなことは避けましょう。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年6月18日掲載-126)