■なぜ採用に出生地や生活環境を判断材料とすると労働局は「不適切」と言うのか
ある会社が採用の方針に関する発言をしたことに対して、労働局が「不適切」というコメントを出した事案に関する報道がされました。
頻繁ではありませんが、労働局が会社の採用に対して指導や注意喚起を行うことはあります。今回の事例では労働局の立場として「不適切」と見解を述べただけのようですね。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:朝日新聞デジタル)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170714-00000126-asahi-soci
【厚生労働が考える公正な採用選考とは】
厚生労働省は、公正な採用選考をするよう求めていますが、具体的には雇用条件・採用基準に合った全ての人が応募できる原則を確立し、応募者のもつ適性・能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準として採用選考を行うこととしています。
よって労働局としては、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定してほしくない(するべきではない)と考えているのですね。これが「不適切」という見解につながります。
出生地や生活環境は、応募者本人の責任ではないということです。これ以外にも厚生労働省が公正な採用選考として掲げているものは厚生労働省のホームページで紹介されています。
(厚生労働省ホームページ:公正な採用選考の基本)
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
【公正な採用選考を尊重しつつも採用選考に色を出していくことも大切】
厚生労働省の考えも理解できるものの各社にはそれぞれ採用の方針があるはずですから各社で色が出ることは、筆者は良いことだと考えています。
社会的に批判しか出ないような方針は好ましいとは言えないかもしれませんが、方針が確立されている会社はしっかりとした人材が採用できている確率が高いと感じています。
会社としてどのような方針でいくかを社内で十分に検討・検証してから表明をしていくと良いと思います。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年7月15日掲載-153)