■建設現場の長時間労働が問題に~過重労働による労災申請事案より~
建設現場の現場監督として働いていた方が自殺をしたのは月200時間近くの残業をしたことが要因になっているとして遺族が労災申請をした事案に関する報道がされました。
報道内容を見ているだけで切なくなります。多くの方の期待とプレッシャーにはさまれて、解決の糸口が見つからなかったのかもしれないですね。同じことが起こらないよう願うばかりです。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170720-00000110-mai-soci
【時間管理の実態が明らかになる】
今回の事案では現場の入退場記録に基づいて残業時間のカウントをした結果が公表されており、会社も残業があったことは事実と認めているようです。
問題が起こってからでは遅いのですが、こういった時に会社の時間管理の実態や、労務管理の実態が明らかになってしまいます。いかに日常の管理が重要かを物語ります。
何か起こった時のために管理をする訳ではなく、その問題を起こさないために事前に対応できるようにするために適正な労務管理をしていかなくてはならないのですね。
おそらく会社にも多くの方の期待とプレッシャーがのしかかっていたのでしょう。だからといって従業員に対する責任から逃れられるものではないことは認識をしておかなくてはいけません。
【同様の事例がないか労働基準監督署が調査に入る】
報道を見ているとすでに労働基準監督署が調査に入っており、厚生労働大臣のコメントとして、他にも同じような事案がないか工事現場全体を調べる必要があるとしており、継続的な調査が行われるものと考えられます。
建設業の時間外労働については、かねてから警鐘が鳴らされていますが、今回の工事現場だけではなく、建設現場への調査が強化されることも想定しておかなくてはなりません。
建設業に対する社会保険の適用問題や適正な労務管理のために必要な残業代コストなど下請会社の抱える不安と現実が改善の足かせとなっているように感じることがありますが、特に公共工事の場合は、この点が解消されるような発注を期待したいですね。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年7月21日掲載-159)