■長時間労働をしている可能性だけで労働基準監督署は調査を実施するか~監督指導事例より学ぶその3~
労働基準監督署が調査を実施するきっかけ(理由)は様々ですが、本日は、「長時間労働をしている可能性」だけで調査を実施するかということをピックアップします。
【可能性があれば労働基準監督署は調査を行う】
労働基準監督署が長時間労働をしている可能性があると判断をした場合には調査を行います。今回、公表をした監督指導事例においても各種情報から時間外・休日労働時間数が1ヶ月あたり80時間を超えていると考えられる会社に対し、立入調査を実施したという記載があり、断定はできないものの可能性があると判断した状態で立入調査を実施していることがわかります。
気になるところは「各種情報から」と表現が曖昧にされており、労働基準監督署がどのような情報をもって時間外・休日労働時間数が1ヶ月あたり80時間を超えていると考えたかがはっきり公表されていないところです。
【信憑性が高い情報で動いていると考えられる各種情報】
労働基準監督署が判断をする各種情報は従業員やその親族からの労働基準監督署への相談や36協定で定めている上限時間など、いろいろなものが考えられますが、信憑性が高い情報で動いているものと思われます。
労務管理の実態を労働基準監督署は把握して調査を実施していることもあると考えておきましょう。
【長時間労働に関する監督指導をするだけではない】
長時間労働をしていると考えられることから立入調査を実施しても、監督指導の内容は長時間労働に関するものだけには留まりません。る指導
公表されている事例においても、衛生推進者を選任していなかったことに対する指導や、満18歳未満の労働者について、深夜労働を含む時間外労働を行わせていたことに関する指導がされています。
法令違反となっている事項については、是正勧告を受けますので時間外労働に限らず、労務管理の監査を実施していきましょう。中部労務管理センターでは監査のサービスもご提供しています。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年7月29日掲載-167)
【本日のブログに関するリーフレットや参照ページなど】
(労務管理資料お問い合わせ番号:00058:厚生労働省)
平成28年4月から平成29年3月までに実施した監督指導結果(平成29年7月26日公表)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/betten1.pdf
(労務管理資料お問い合わせ番号:00059:厚生労働省)
監督指導事例
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/betten2.pdf
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