■労働基準監督署の調査の是正対応は指導を受けた事業所だけかもしくは全社にすべきか
労働基準監督署の調査は、原則として事業所の所在地を管轄する労働基準監督署が行います。よって指導についても当該事業所に対して行うこととなります。
一方でケースとしては少ないと言えますが、例えば本社を管轄する労働基準監督署が全社的に調査を行うよう指導し、報告を求めることもあります。
【その事業所だけ是正する対応は危険を伴う】
指導をされた事業所だけ是正をするという対応は、状況に応じて必要なことではあるのですが、危険を伴うため、全社的に是正を原則と考えておくべきでしょう。
1つの事業所に対して法令違反があったことを会社は認識することになるので、全社的に是正をしないことは故意と判断される可能性があるためです。
1つの事業所で指導をされた内容は、会社が対応策を検討している間に従業員から従業員に伝わって全社的に広がっていることがあります。
会社が正式に対応方法などを決めてから公表しようとしていたことが従業員に対して隠していたと言われることもあるくらいです。
指導をされた事業所だけ是正の対応をして、他の事業所では是正をしていないことが、従業員から労働基準監督署に相談されれば、労働基準監督署はその内容が法令に違反しているものであればすぐに指導をしますからただリスクを負っているだけとも言えるのです。
【労働時間の制度的なものは事業所ごとで変えることも検討】
事業所によっては、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用することが良い事業所もあれば、1年単位の変形労働時間制を採用したことが良い事業所もあるでしょう。
1日の労働時間が、8時間が良い事業所もあれば、場合によっては8時間10分が良い事業所もあるかもしれません。
労働時間の制度をどのようにしていくかというようなことは事業所ごとで適切なものにて運用することは選択肢のひとつです。
この場合においては、事業所ごとのバランスをどう保つかが重要なのでよくこの点を検討してから実施しましょう。
就業規則の内容も各事業所で異なってくることから、しっかり対応ができているかチェックをした上で実施しなくてはいけません。
このような就業規則の策定についても中部労務管理センターではお手伝いをしています。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年12月11日掲載-302)
※ 写真はイメージです