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■始業時間前に仕事をしているという残業は見落としやすい~労働基準監督署の指導事例より~

大手企業が残業の未払いを労働基準監督署より指摘・指導をされ、20億近い残業代を支払うことを公表した事例が報道されました。
 
 こういった報道をみると金額がフォーカスされがちですが、1人当たりの平均額を出してみると極端なものではなく、中小企業にも起こり得る事例です。
 
(出典:YAHOO!JAPANニュース:讀賣新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180316-00050071-yom-soci
 

【始業時間前に仕事をしていることを見落とさないこと】

今回の事例は盲点となりやすい、始業時間前に仕事をしていることについて労働基準監督署より指摘・指導があったことから始まっています。
 
 
 会社が調べていくと、申告していた始業時間よりも前に出社して仕事をしていたということがわかったということですが、出社していても仕事をしていないと会社が示すことができる証拠があるとか、労働者自身が「働いていない」と断言するような場合でないと労働基準監督署はこの時間を残業時間として支払うよう指導をすることになります。
 
 
 「従業員が通勤ラッシュを避けるために早く来ている」とか「頼んでいる訳ではないのに早く来ている」ということがあると思いますが、
 出社してメールの確認やグループウェアのチェックなどをしていたらそれは労働です。
 
 

【パソコンを業務に使用する場合はパソコンの使用状況で検証をすることになりやすい】

業務にパソコンを使う場合は、今回の報道の事例のように、例えば朝に出社をして何をしていたかわからないというような時には、その使用状況をチェックすることになりやすい(労働基準監督署が客観的な検証方法として認める傾向があるため)のですが、始業時間前にパソコンを使っていれば、仕事をしていたと判断されることを考えるならば、
 
 
 残業としたくないのであれば、始業時間前にパソコンの使用をさせないことが安全策です
 
 
 従業員自身が勝手にやっているということにして残業のカウントをしていなかったというご相談を中部労務管理センターにもいただくことがありますが、
 従業員からの指摘や労働基準監督署の指導があってからでは遅い
 ため、問題が起こる前に始業時間前の仕事のあり方について議論を始めましょう。
 
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2018年3月18日掲載-398)
 
※ 写真はイメージです