■私用メール・私用メッセージ送信の禁止はできるのか?
会社所有の設備や自身の携帯電話を利用して私用のメールや私用のメッセージを送信することをどこまで規制するかということは、どこでも起こりうる問題です。
【わかりやすいのは全面禁止もしくは携帯電話の持込禁止】
規制として簡単な方法は「全面禁止」もしくは携帯電話であれば持込禁止がわかりやすく手っ取り早いのでしょうが、潜在的に従業員はもとより経営者の方々にも「多少のことはやむを得ない」という意識があり、文言上の規制はあるが、実態は規制をしていないという曖昧な状態が現実というケースは少なくありません。
【問題になるのはどのような時か】
問題視されるようになるのは、特定個人に多数のメールが送られたとか会社または上司を批判するメールが送られたなど「度を越していると判断された場合」が多いのですが、その際に「私用メールは禁止となっている」といっても説得力はありません。
【黙認状態にしていたのであれば処分は難しくなる】
いわゆる黙認状態であったにもかかわらず、処分をする時だけ規定を主張する
という運用は、よほどの支障を来していない限り処分をするということは難しいと考えます。
「あの人もやっている」「このケースはどうなんだ?」「上司からこんなメールやメッセージが送られてきたがこれは私用ではないのか?」などひとつの処分事例が飛び火していくことも多いため、皆が私用で使っているのに特定の人だけ処分をするということは現実的には難しくなります。
【ではどのように対応をしていくのか】
ごく少数の私用メールを見つけ出すことは困難であり、プライバシーの侵害の問題に発展をしかねませんから黙認状態になることもやむを得ないかもしれません。
しかし、実際に表になった時には、「特に問題に発展している訳ではないから」と大目に見るのではなく、積極的に注意喚起をしていくことをお勧めします。そして注意喚起をした際には、必ず実施した日時と内容を記録しましょう。
注意喚起をしたにもかかわらず改善がされない場合に懲戒処分に踏み切るというステップが良いでしょう。
私用メールや私用メッセージについてまったく規制がない場合や規程の文言上はあるが野放しの黙認状態という会社はリスクを抱えています。事が起こる前に運用ルールを含めて検討しましょう。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年3月7日掲載-23)