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■36協定の届け出をすると労働基準監督署は調査にくるか

時間外労働や休日労働を従業員にしてもらうためには、36協定の届け出が必要だということはわかっているが、36協定を提出することで労働基準監督署が調査にくるのではないかというご相談をいただきます。
 

【36協定の届出は調査のきっかけになり得る】

明確に36協定を届出した事業所に対して調査を行うという根拠があるわけではありません。
 
 筆者は、36協定の届け出により調査を受けることはあると考えています。
 
 それはこれまで受けてきた調査の中で、「あぁ、36協定の内容を把握しているな・・・」とわかるときがあるのです。
 
 会社としては、安定した運用をしていくために異動の業務命令などをする際には、業務上の必要性を備えておく。ことが良いでしょう。
 

【愛知労働局(労働基準監督署実施の調査)の公表より】

愛知労働局が公表した結果の中に平成29年度の主な取組みが公表されています。ご覧になりたい方は下記のリーフレットの5ページをご覧ください。
 
 主な取組みとして、「引き続き、各種情報から時間外・休日労働時間数が1ヶ月あたり80時間を超えていると考えられる事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等に対し、原則全数監督指導を実施。」と公表しています。
 
 筆者の考えとして、この「各種情報」には、労働者の申告や36協定の情報も含まれると考えています。そして愛知労働局や各労働基準監督署の姿勢としては、すべてを調査するという意気込みですね。
 

【調査に来るから36協定の届け出をしないのは最悪の選択】

こうなってくると「それなら提出をしない」という考えに陥ることがありますが、
 
調査されないよう36協定の届け出をしないということは最悪の選択です。
 
 残業時間が多いことや法令遵守の観点から問題があるということを隠しているだけで解決にはなりません。
 

【残業時間を少なく記載して届け出をすることは選択肢のひとつである】

選択肢のひとつというのは、残業時間が多いにもかかわらず、それを少ない数字にして届け出をするということではありません。これは出さないことと同様の部類です。
 
 従業員と話し合いの場を設けて残業削減に向けて努力をしていくということであり、36協定で定める時間を少なくすることで法令順守のために残業削減をやらざるを得ない状況に持ち込むことはひとつの選択肢として検討すべき事項です。
 
 実現不可能な時間で締結するということではなく、やはり削減に向けてここなら皆が気合いを入れれば達成できるだろうというラインを見極めて実施するということです。
 

【じゃあ何をしなければいけないのか】

自社において、努力をしても残業に従事してもらう必要があるのかを分析しましょう。そし自社の労務管理が法令に準じているかも監査が必要です。

課題が見えてきたら改善策を検討して行動をしていきましょう

 
 中部労務管理センターでは、改善点の整理から対策の提案、具体的行動の管理などご要望に応じて対応をいたします。

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月1日掲載-48)
 

【本日のブログに関するリーフレットや参照ページなど】

(労務管理資料お問い合わせ番号:00025:愛知労働局)
過重労働解消キャンペーンの重点監督結果(平成29年3月30日公表)
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0117/7443/kajuuroudoukyanpen.pdf
 
※資料等のリンクはブログ投稿時点でリンクをしていたものです。リンク先が変更した場合など見ることができなくなることがございますのでご了承ください。