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■中小企業が週休3日を導入する前に検討しておくべき事項とは

週休3日を検討する企業が出てくるかもしれないと言っていたら働き方改革の一環で実施する会社がでてきましたね。
 
(労務管理ポケットメモ)
★休日数が多いことは選ばれる会社になれるのか~1週40時間週休3日も選択肢のひとつ~はコチラ(http://chuburoumu.com/archives/1113
 
 当時のブログにも書いていますが、週休3日制の導入前に検討をしておきたいことがあるのです。大手の企業にとってはたいした影響はないと判断されるかもしれませんが、中小企業にとっては想定外の事態となってしまうかもしれません。
 

【有給休暇はすべて消化するものとして検討が必要】

週の所定労働時間が40時間の場合、1日の労働時間が8時間の週5日勤務でも1日の所定労働時間が10時間で週4日勤務でも労働基準法における年次有給休暇の付与日数に変わりはありません。
 
 仮に労働基準法に沿った付与で実施している場合は、勤続が6年6ヶ月以上の場合は、20日の年次有給休暇が付与されます。
 
 年次有給休暇をすべて消化した場合に、単純にその日の労働時間が免除されるものと考えるのであれば、40時間の差が生じます。
 ○1日8時間勤務×年次有給休暇の消化20日=160時間
 ○1日10時間勤務×年次有給休暇の消化20日=200時間
 
 時間数がすべてではないため、休日数や休暇で休む時間が多いことによって効率的な仕事ができて、1日8時間勤務の時よりもより成果が出せるようになればこれに越したことはありませんが、中小企業では自社で影響がないかは事前に検討をしておく必要があると筆者は考えます。
 

【1年単位の変形労働時間制の導入が適切ではないか検討を】

報道されている週休3日制は1ヶ月単位の変形労働時間制を導入した運用となっていますが、繁閑の状況によっては、1ヶ月単位の変形労働時間制よりも1年単位の変形労働時間制の方がより働き方改革につながる場合もありますので慎重に検討をしたいところです。
 
 ただし、1年単位の変形労働時間制は、様々な制限があったり、欠勤・遅刻・早退・労働時間の精算など各種の取扱方法など注意するべき事項が多いため、これらを含めての検討が必要です。
 

【就業規則の適用を分けることも検討が必要】

正社員で週休3日を想定した就業規則を従前から適用している会社もあるでしょうが、多くの会社は想定がされていないものと考えれます。
 
 例えば、就業規則も1日8時間週5日勤務の従業員用の就業規則と1日10時間週4日勤務の就業規則を分けて作成し、適用をしていくことも良いでしょう。各社の状況に合わせて導入するものから就業規則の適用までじっくり検討が必要です。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年6月8日掲載-116)