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■従業員から有給休暇を買い取ってほしいと言われた時に買わなくてはいけないか

従業員から有給休暇を買ってほしいと言われた時に悩んでしまいますね。従業員の希望ではあるもののそもそもしなくてはならないのかどうか、してあげたい気持ちもあるけれど他に起こり得る問題があるかなどいろいろな思いが錯綜します。
 
 有給休暇の買い取りは時に有効な手段ではありますが、実施については慎重に検討をしてからにしましょう。
 

【買い取りは「原則不可」と考えられている】

法令は買い取りについてどのように考えているかというと、有給休暇の買取りをすることは労働基準法39条に違反をすると考えられている(昭和30年11月30日基収4718号)のですね。
 
 よって年次有給休暇の買い取りが法律で義務づけられているとかそういい類のものではないことは押さえておきましょう。
 

【有給休暇の買い取りを「しても良い」という例外がある】

一方で下記の3つのいずれかに該当する場合は、年次有給休暇の買い取りをしても良いとされています。
 

 

     買い取りをしても良い場合
【1】 時効となり消滅した有給休暇
【2】 退職により使用しないことで消滅した有給休暇
【3】 法定の日数を超える部分の有給休暇

 
 
 考え方のスタンスは、労働基準法で定められた有給休暇は取得してもらうというものなのです。
 

【どうにも動きが取れない時には買い取りも検討】

有給休暇の買い取りが議論になるケースとして多いのは、退職を決めた従業員が、退職日まですべて有給休暇を消化して退職をしてしまうという時です。
 
 会社としては引継ぎなどをしてほしいのに出てこないという状態になってしまう時で、かつ正当な権利の行使であるからには無理は言えないということになり動きがとれなくなります。従業員との関係性が悪化しているとなおさらかもしれません。
 
 このような状況において、買い取りというのはひとつの選択肢となります。対象となる従業員さんにとっても場合によっては願ったり適ったりの提案ということもあります。よく話し合いをすることが大切なことです。
 

【「私も」「私も」となることが予測される】

ひとつの買い取りの実績をつくると、その話を耳にした従業員が「私も買い取りをしてほしい」と要望がくる場合があります。法令では不可とされていてもなかなか理解が得られない場合もあります。
 
 この問題は、何より従業員との関係性が良好かどうかが左右するものですが、一定のルールを定めてこかないと非常に悩ましい問題に発展しかねませんので運用に困った時にはご相談ください。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月17日掲載-64)