■会社が決定した配置転換が覆ることはあるか
配置転換については、就業規則等により根拠があることで会社の裁量が比較的広く認められています。
今回の事案は、大々的に報道されたのでご存じの方も多いと思いますが、和解という形で結論が出たことが報道されました。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170524-00000529-san-soci
【会社が配置換えに対して謝罪】
覆るまでのプロセスは複数ありますが、今回の事案では、会社が配置換えの不当性を認めるという形で、一度決定した配置転換が覆りました
会社が謝罪するということからも、配置転換の目的に不当なものが含まれていたのだと考えられます。配置転換に当たって少なくとも社内に対して胸を張って目的が言える状態にしておきたいところですね。
将来を見据えた人事であったり、周囲から見ると理由のないものも出てきますから積極的に公表をする必要はないでしょうが、周囲がわからないのであれば、説明をすれば納得してもらえるようにしておくと配置転換による労務問題は格段に減るでしょう。
【そもそもの始まりはひとつの労務問題から】
今回の事案は、どこの会社でも起こり得る小さな労務問題がこじれたことで大きな問題に発展してしまいました。
営業車を運転中に車両事故を起こしたというものです。この車両事故の詳細は報道がされていないのでわかりかねますが、この件に関する会社の対応に疑問を持ったことが始まりでした。
小さな労務問題が、感情的なもので大きな問題に発展するということはよくあることで、会社は会社のことだけを考え、従業員は自身のことだけを考えてしまうことが大きな問題に発展する要因になりやすいので、手間がかかり、お互いに腹が立っていたとしても、よく話し合いをすることが重要です。
【ニュースになってしまうことが大きな痛手】
そもそもの車両事故に対する会社の対応で、会社が従業員に請求をした金額は48万円でした。
一定の解決まできたところで会社の損害は計り知れないものになっていると考えられます。SNSへの投稿などニュースになることは簡単な時代になりました。
労務問題が起きたときに着地点はあるのです。お互いが自身のことだけを考えて、着地点を見ようとしないと大きな問題に発展してしまいます。
日常の労務問題に丁寧に対応をしてきましょう。中部労務管理センターでは、日常の労務問題に丁寧に対応をするお手伝いをしております
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年5月25日掲載-102)