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■待機時間は労働時間か休憩時間か~労働基準監督署と労働局の見解が分かれた事例より~

運転手の待機時間を労働時間として取扱い、東京労働局が新宿労働基準監督署の決定を覆した事例に関する報道がありました。
 
 比較的珍しい事例ですが、待機時間を労働時間としていない会社にとっては、注目しておかなくてはいけない事例です。
 

(出典:YAHOO!JAPANニュース:産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170526-00000564-san-soci 
 

【労働基準監督署は待機時間を労働時間としなかった】

今回の事案は、待機時間を労働時間に含めると過労死ラインの基準を上回り、待機時間を労働時間にしないと基準を下回るということで、待機時間をどう扱うかで結論が異なる状況でした。
 
 新宿労働基準監督署は待機時間を労働時間と判断しなかったので労災と認定しないのは自然な流れだったとも言えます。この先の結果として東京労働局が労災と認定した訳ですが、待機時間をどう扱うかは専門の行政でも判断が難しい微妙な問題ということが分かります。
 

【微妙な問題なら放置をしておけば良いということではない】

どっちに転ぶかわからないのであれば、放置をしておこうと考えてしまうかもしれませんが、東京労働局の判断が労働時間としている以上は、待機時間が労働時間になることも十分にあると考えておかなくてはいけません。
 
 むしろ、待機時間は労働時間となる確率が圧倒的に高いと考えても良いくらいだと筆者は考えています。
 

【労働局が注目した視点~待機時間の際に置かれた環境~】

東京労働局は、待機場所にパイプいすと机が置いてあるだけで仮眠などできないスペースだったというところに注目して労働時間としています。
 
 労働局の見解として、少なくとも仮眠などができないと労働時間と判断する可能性が高くなることが見えてきますね。
 
 待機時間を労働時間として扱っていない会社は、根本的な検証と環境の整備が必要と言えるでしょう。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年5月28日掲載-105)