■仕事を与えないことがパワハラとなるのか
判決を不服として控訴をするのであれば、控訴審の判断に注目をしたい事例ですが、神戸地方裁判所が長期間仕事を与えないことはパワハラに当たるとして使用者に損害賠償の支払いを命じた事例が報道されています。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170809-00000133-mai-soci
【裁判所の判断には「短期間なら許される場合もある」】
裁判所は仕事を与えないということについて、短期間なら許される場合もあるとしていますが、長期間では許されず、短期間でも許されるとは限らないということですね。
まっすぐに捉えると、仕事を与えないという措置は、パワハラと判断される可能性を秘めているということになるため、認識をしておかなくてはなりません。
従業員への嫌がらせ目的で会社が仕事を与えないのか、仕事をさせることに何らかの危険性があり、他の目的を果たすためにやむなく仕事を与えていないのかなど「与えない」にも様々事情があるはずですから個別判断になるのはやむを得ないところですね。
【配置転換がパワハラと判断されることもある】
仕事を与えないことがいけないのであれば配置転換をして仕事を与えるようにすることで解決するかというと必ずしもそうではありません。
裁判所が配置転換をパワハラと判断している事例もあるためです。配置転換を命じるにあたり、会社に隠れた意図はないかや周囲が客観的に見てパワハラだと感じる状況がないかということは冷静に検証をしてから実施をしましょう。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年8月13日掲載-182)