■裁量労働制で適用範囲外となると労働基準監督署はどう指導をするか
専門業務型裁量労働制は、法定の19業務に限って適用が認められているものですが、本来の法定の19業務以外と考えられる従業員に適用していたことで労働基準監督署が是正勧告を出した事例の報道がありました。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:讀賣新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170906-00050079-yom-soci
【かねてから問題提起されている専門型裁量労働制】
専門型裁量労働制の要件を満たしていないにもかかわらず、裁量労働制を導入しているという理由で残業代が支払われない事例があるとかねてから問題提起がされており、労働基準監督署もそのようなことがあることはわかっているものと思われます。
今回の報道からも残業代を削減することだけを目的としているような制度の適用と判断された場合には労働基準監督署が是正勧告を出すと考えておくべきです。
内部の事情としては、裁量労働制の適用となる従業員の給与と裁量労働制の適用とならない従業員の給与についてバランスが取れないというようなこともあるのかもしれません。
給与のバランスが取れないからという理由は労働基準監督署には通用しませんので、バランスを取るのであれば別の手法を検討しなくてはなりません。
【労働基準監督署は未払い残業があった時間の支払いを指導】
今回の事例について、労働基準監督署は未払い残業となっている時間分の支払うよう指導をしています。
裁量労働制で適用範囲外となると労働基準監督署は、未払いとなっている残業がないかをチェックし、あれば支払うよう指導をするという流れです。
今後は、裁量労働制の適用範囲についても労働基準監督署が積極的に指導を行っていくことが考えられます。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年9月8日掲載-208)