■発する必要のない悪口はパワハラと判断されることも
何気ない一言で相手を傷つけてしまった経験をされた方もいるのではないかと思います。どれだけ相手のことを考えた発言であったとしても意図が伝わらなければ、その段階では結果に変わりはないため、相手のことを考えたと主張するのであれば意図を理解してもらうことが重要かもしれません。
上司が発した言葉が、「嫌がらせやいじめと捉えざるを得ない」としてハラスメントがあったとして損害賠償の支払いを命じた事例が公表されました。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:讀賣新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171206-00050011-yom-soci
※ ニュースのリンクは一定期間経過するとリンク切れとなっている場合があります
【発する必要のない悪口は言わないこと】
特に難しい話ではなく、つい感情が高ぶったときなどにその発言を挟む必要がないのに言ってしまうことがあるかもしれません。
相手を傷つけるだけで、指導や教育には一切つながることがないというものですね。「それを言うことで悔しいと思って奮起してほしかった」というようなこともあるかもしれませんが、相手を傷つけるような発言による荒療治は、良い方向に向くことは少数と考えておいた方が良いでしょう。
【発言した上司に加えて会社に責任もあると判断される】
裁判所は、上司だけではなく、相談窓口の設置など一定の対策を講じていた会社にも責任があると判断しました。
相談窓口がどれくらい機能していたかわかりかねるところですが、仮に十分に機能していたのえあれば、会社にとっては酷なものとなった印象があります。
この判決からハラスメントへの対策として相談窓口の設置だけでは足りないと考えておく必要がありそうです。
就業規則やハラスメントに関する規程の整備から入り、実際に発生している事例の把握から、使用者としてどのように考えるかなどコツコツと研修や情報提供をしていくことが重要です。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年12月6日掲載-297)
※ イラストはイメージです