■時間外労働に対する定額の手当は不安定な運用でリスクが残るため時間単位に変更するべき
労働基準監督署が医療機関に対して、医師の呼び出しに関する時間外労働に対する取扱いについて、指導をした事例が報道されました。
労働基準監督署は医師の呼び出しを時間外労働にあたると認定としており、時間外の労働時間に対していわゆる残業手当を支払うように指導をしたものと考えられます。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:讀賣新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171227-00050094-yom-soci
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【定額の手当は「不安定」かつ「リスクが残る」】
今回、指導を受けた医療機関は、緊急の呼び出しの際に定額の手当を支払っていたとしており、このような取扱いをしている医療機関も少なくないでしょう。
一方で、なぜ「時間単位で支給をしないのか?」という疑問が出たときに「それを支払っていてはぶっちゃけもたない」という種類の答えが頭をよぎる場合は
大きなリスクを抱えている可能性があると考えた方が良いでしょう。
業界内で多くの運用例があると、それが正しいもののように感じてしまうことがありますが、各事業所で実態は異なるものであり、1つの事業所で正しいと判断されたから他で運用をしても正しいということではありません。
定額にしている場合は、「計算が面倒だ」とか「コストを一定にしたい」という使用者の利便性を追求した理由になりがちですが、これが労働基準監督署から指導を受ける隙となってしまうのです。
【時間単位で支払うことはリスクを圧倒的に提言させる】
指導を受けた医療機関は、時間単位の支給に変更をすることをコメントしていますが、これが安定運用の正解と言えるでしょう。
使用者としては、適切な時間管理をしていかなくてはいけないので苦労をする点もあると思いますが、従業員の納得も得やすく、労働基準監督官の納得も得やすいことから、定額の手当による運用をしている事業所は時間単位の支給とするか指導を受ける前に検討しましょう。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年12月29日掲載-320)
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