■勤怠記録は裏付けを取っておくとトラブル回避に一役買うことも
裁判所が2ヶ月半連続で勤務をしていたと認定し、使用者に賠償を命じた事案の報道がありました。
今回の事案において、会社は「週1日休日を取っていた」という主張をしていたようです。勤怠記録にも残っていたものを裁判所は採用しなかったということになります。
(出典:YAHOO!JAPANニュース:朝日新聞デジタル)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180301-00000079-asahi-soci
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【裁判所が指摘した「裏付けなし」「同僚らが口裏を合わせていた可能性」】
今回の事案で裁判所は
■勤怠時間表に裏付けがない
■同僚らの証言について口裏を合わせていた可能性がある
と会社が記録していたものに信頼がないということから2ヶ月半連続で勤務をしていたと認定したものと思われます。
どのような事情やどのような経緯があってこのような判断に至ったのかはわかりかねますが、勤怠記録に裏付けがないと信頼されないこともあるということになります。
【自己申告制であれば検証をしなくてはいけないのであるが・・・】
平成29年1月20日に公表された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によれば、自己申告制の労働時間管理については、検証が必要とされていることからこの検証が適切なものと判断されれば裏付けと言えるのかもしれません。
一方でタイムカード=裏付けありと断定はできないと考えられます。裏付けとなるとタイムカードであっても建物のセキュリティのロックの時間とかパソコンのログやシステムへのアクセス、電気の消灯時間など客観的と考えられるデータとの突き合わせをしておくことは裏付けへの対策と言えるでしょう。
従業員自身に労働時間について確認をしてもらい、署名・捺印を取っておくこともひとつの手法でしょうが、「やらなければ仲間はずれとなり働きにくくなる」とか「認めざるを得ない環境に囲まれている」では意味がありません。
隙のある勤怠記録は会社のリスクになることを認識しなくてはなりません。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2018年3月2日掲載-382)
※ イラストはイメージです