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■電話で常に会社の指示を受けているのであれば労働基準監督署は「事業場外みなし労働時間制」の適用を無効と判断して指導する

事業場外で労働をしているものの従業員が会社に電話をして指示を受けている場合には、事業場外のみなし労働時間制の適用とはならないとして労働基準監督署が無効と判断し、指導をした事例が報道されました。
 
 強引な解釈をすれば、適用ができそうな事業場外みなし労働時間制ですが、残業代を出さないことを
目的としたことがうかがえるようだと
危険性ありとして省みてみると良いでしょう。
 
(出典:YAHOO!JAPANニュース:産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180330-00000094-san-soci
 

【「行政に相談をした」は万全の体制ではない】

今回の事例において会社のコメントは、「行政に相談の上、みなし時間制を運用してきた」と出していますが、行政に相談をしていたということは万全ではありません。
 
 
 相談を受けた行政の職員が必ずしも聞きたい分野に長けているとは限らないことがありますし、行政に伝えなくてはいけない事項がすべて伝わっていない可能性があるからです。
いつ・誰が・何について・どれだけの情報を提供して相談をしたことについて、職員の誰が対応をし・どのような回答をしたかということが完全に残っているケースはほぼ皆無だと考えられます。
 
 
 結果として取り扱いに誤りがあれば、今回の事例のように労働基準監督署は無効と判断して指導を行います。結果として今回の事例の会社も事後に改善をしたことが報道に書かれています。
 
 

【携帯電話を持っていることをどう考えるか】

あらゆる情報が行き交うのでこのくすぶる問題に明確かつ一切の誤りがない回答があれば救世主です。
 くすぶっているからこそはっきりしていないことの証であり、完全な自己防衛ではありませんが、
 事業場外みなし労働時間制が否認されることも想定した制度運用をするようにしましょう。
 
 
 事業場外みなし労働時間制が否認されることは会社に大きな傷を負わせることも考えられます。
 場合によっては制度運用の効果を低くしても致命傷を避けるような運用が望ましいと中部労務管理センターは考えています。
 
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2018年3月30日掲載-410)
 
※ 写真はイメージです