■労働基準監督署の調査を無視もしくは拒否してはダメか!?
【いきなり書面で呼び出しされた】
労働基準監督署から来所の要請が郵送で送られてきましたというところからご相談が始まるケースがあります。
賃金や労働条件の実態を○月○日○時に調査をするのでタイムカードや賃金台帳など指定された書類などを持って労働基準監督署に来てくださいというものです。
「無視してはダメか??」
「普通郵便で郵送されているから届いていないことにしてしまおう」
「忙しくて行くことができないから断ろう」
それで済んでいくかどうか・・・結論からいうと無視や拒否はやめておきましょう。これらの行為は決してプラスには働きません。労働基準監督官に対して法令が権限を与えているということもさることながら、来所要請を出したものが無視または拒否されて「良かった」と思ってくれる労働基準監督官はいません。
一般的には自分がお願いをしたことが無視や拒否をされたらマイナスの感情を抱きますよね!労働基準監督官には、労働基準法によって強い権限が与えられています。端的にいうと労働基準監督官は会社が拒否をしたとしても強制的に入ってきて調査をすることができるのです。
そんな権限をもっている状況に対して無視や拒否は「何か大きな問題があるのではないか?」という憶測を呼びかねません。
強い権限をもっているからといって怖い人たちかというとそうではありません。たくさんの労働基準監督官がいますから人柄は様々ですが、社会保険労務士として活躍した方が良いのではないか?と思うほど温和な人や熱心な人もいます。
【調査は会社の健康診断】
私は「会社の健康診断を受けるつもりでいきましょう」と申し上げます。いけない部分があれば治療(改善)をすれば良いのです。
不安な場合は弊社にお問い合わせください。一緒に労働基準監督署に同行することもできますし、事前にどのような指導を受けるかということや労働基準法などがどのように定めているかをご理解いただいた上で調査を受ければ現場での緊張は大幅に削減されます。無視や拒否はやめておきましょう!!
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年2月20日掲載-7)
【参考条文】
(労働基準法第101条第1項)
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿および書類の提出を求め、または使用者もしくは労働者に対して尋問を行うことができる。
(労働基準法第102条)
労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。
(労働基準法第104条の2第2項)
労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、使用者または労働者に対し、必要な事項を報告させ、または出頭を命ずることができる。
※労働基準法第101条第1項の「臨検」とは、労働基準監督官としての職務執行のため、労働基準法違反の有無を調査する目的で事業場等に立ち入ることをいいます。