■労働者から情報提供がされた後で労働基準監督署の調査が行われたときのポイント
446億4,195万円
平成29年度に労働基準監督署の
指導により企業が支払った
残業代の金額です。
この中には1つの会社で100万円
以下の小規模な金額のものは
含まれていないことから、
支払総額の実態はこんな
ものではありません。
今日は厚生労働省が公表した
指導事例の第三段について
みていきます。
従業員が労働基準監督署に
申告をして労働基準監督署が
立入調査を実施した事案です。
じたばたしないこと 冷静に 冷静に
従業員が情報提供をして
労働基準監督署が立入調査を
実施するということは、
従業員からかなり詳細な
情報が提供されていて、
その情報が精度の高いもので
あれば、
会社のどこに法令違反が
あるかわかった状態で
行っているため、
会社の言い分もそこそこに
従業員が申告をした違反に
関する確認をしていくでしょう。
この状況において、焦っても
良いことはありません。
違法となっている部分は
改善をしていくことを考えながら
冷静に対応をしていきましょう。
突然の立入調査で腹が立つかも
しれませんが、
労働基準監督官には法令に
より調査をすることが認められて
いるため、怒りの感情は意味が
ありません。
労働基準監督署が何を見てどういう指摘をしたか記録を
立入調査では、どの資料を見て
どういう指摘をしたかを
記録するようにしましょう。
労働基準監督官の説明に
疑問があるときは遠慮なく
疑問を投げかけてかまいません。
労働基準監督官が何を言って
いるかがわからないという
状況は避けましょう。
どこについて、法令違反があって
どういった改善を求めているのか
押さえておけば大丈夫です。
労働時間管理の自己申告制維持には根気が必要
昨日のブログでは自己申告制の
検証について、載せましたが、
今日は「どう維持するか」です。
自己申告による労働時間管理を
法令は禁止している訳では
ありませんが、
違法な状態を招きやすいことは
確かですから、労働基準監督署も
その運用には目を光らせて
います。
厚生労働省が公表した事案の
会社も
(1)研修の実施
(2)上司が確認する仕組みの導入
(3)ガイドブックの見直し
これだけの対応策を講じて
とても従業員から情報提供
される会社とは思えないほどの
対応ですね。
それでも労働基準監督署が
後日この運用状況を確認する
ために調査に入ることも
あります。
自己申告制を維持すると決めた
ときは長期的な運用が可能か
という視点が必要です。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2018年8月13日掲載-546)
※ 写真はイメージです