■教頭先生は労働基準法における管理監督職ではないと労働基準監督署が判断を示す~管理監督職の実態がともなわなければ名称は関係ない~
私立高校の教頭先生が自殺を
したのは、
長時間労働などが原因として
労災認定をした事案の報道が
ありました。
近年は一定期間に遡って
労働時間を確認し、
法定労働時間を超える残業が
100時間を超えていると
労災認定をする傾向が
あります。(それ以外の時間数でも
認定例あり)
今回報道があった事案についても
同様であり100時間を超えていた
ことが労災認定の決め手になって
いるものと思われます。
今回の事案で特に注目をしたいのは
労働基準監督署が教頭先生を
労働基準法における管理監督職ではない
と判断を示したということです。
判断材料は「実態」であって「名称」ではない
労働基準法の管理監督職に
該当するか否かは
「実態」です。
名称はあまり意味がありません。
何となく教頭先生と聞くと
管理監督職というイメージが
あるように感じますが、
それはイメージであって
実態から判断をしたもの
ではありません。
もちろん今回の報道の事案に
よって、
全国の教頭先生が管理監督職では
ないと判断された訳ではないのでここは
注意をしてください。
労働基準法における管理監督職と
判断される教頭先生もいれば、
今回の事案のように該当しないと
判断される教頭先生もいるという
ことです。
労働基準法の管理監督職として取り扱っていたのに該当しないと判断をされれば残業代の支払い請求が行われることを想定しておこう
労働基準監督署が管理監督職では
ないという判断を示したことで
裁判所も同じような判断を示すとは
限りませんが、
残業代の未払いが発生する可能性も
あると従業員が考えて
残業代を請求する訴訟を起こした
場合には、
残業代の支払い命令が出る
ことも想定しておくことです。
安易に労働基準法における
管理監督職であると会社では判断を
して、残業代の支払いをしていないと
何倍にも大きな負担として帰って
くることも考えられますので
誰か1人の判断ではなく
複数で議論をして取り扱いを
検討すると良いでしょう。
近いうちに必ず再燃する
社会的課題です。
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※ 写真はイメージです