■給与の引き下げは従業員と根気よく話し合いをして同意を求めることがポイント~一方的引き下げは困難を極める~
給与の引き下げを一方的に行い、
「裁判でも何でもどうぞ」と
開き直った対応に対して
従業員が提訴をし、
給与の引き下げは「無効」と
判断し、慰謝料の支払いを
命じた事案の報道がありました。
会社としてはそれなりの事情が
あったのでしょうが、
一方的に引き下げをすることが
認められることは困難を極めます。
「裁判でも何でもどうぞ」と発言し
結果として裁判で無効と判断される
というこの流れで
社内の雰囲気はぎくしゃくし
お互いの信頼はないということに
なりかねないことから
労働条件の引き下げをせざるを
得ないとなった時には、
双方が相手方のことを考えて
着視点を見出す努力が必要に
なるでしょう。
労働契約法はどのように定めているか
労働契約法第8条は
労働者及び使用者は、その合意により
労働契約の内容である労働条件を
変更することができるとしています。
原則は「合意」としているので
合意がないものは無効とされる
可能性があるということです。
従業員が思っているほど仕事の
成果があがらないとか、
仕事はできるけれども協調性が
ないとか、
会社としても悩ましい状況は
あるでしょうが、
「合意」が必要なのだという
意識は持たなくてはなりません。
話し合いを重ねて着地点を見出そう
「労働条件を引き下げます」
「はいわかりました」と
簡単に決着がつくことは稀です。
むしろほとんどのケースが同意を
しないということになるでしょう。
会社を取り巻く環境や従業員の
成果の現状をふまえて
根気よく話し合いを重ねて
理解を求めることがポイントです。
ハラスメントと言われることが
ないよう、冷静にゆっくりと
理解を求めて着地点を見つけましょう。
そうでないと報道の事案の
ような結果を招いてしまう
ことになります。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2019年4月18日掲載-794)
※ 写真はイメージです