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■バス運転手の待機時間はそのうちの1割が労働時間~福岡地裁が判断を示す~

 
労働者側がすでに控訴の方針を
決めていることから、
控訴審の内容に注目をしたい
ところですが、
 
 
 
見直しがされるかもしれない
とはいえ、
 
 
 
このような判決に至るケースの
労務管理はどのようにしていたか
 
 
 
押さえておくだけでも参考になる
ことがあると思いますので
本日のブログで取り上げます。
 
 
 
バスの運転手が終点到着後に
折り返して出発するまでの
時間が労働時間かどうか
争われた事案で
 
 
 
1割が労働時間
(9割が労働時間ではない)

と福岡地裁が判断を示した事案の
報道がありました。
 
 
 

労使それぞれの主張は?

 
労働者は
「車内の清掃や忘れ物の確認のほか、
行き先の問い合わせへの対応が必要」
として労働時間と主張し、
 
 
 
使用者側は
「乗客対応が必要な時間分の賃金は
支払っており、その他の休憩時間には
乗客対応は求めていない」
と主張しました。
 
 
 
どちらもそれぞれの立場で筋が
通った主張をしているように
筆者は感じていますが、
 
 
 
裁判所は
「待機時間の1割が労働基準法上の
労働時間にあたるものと認めるのが相当」との

判断を示したと報道には書かれています。
 
 
 
待機時間は労働時間という
イメージが強い方もいると
思いますが、
 
 
 
労務管理の状況によっては
結論が変わることもあり得る
ということですね。
 
 
 

使用者側が労働者に伝えていたこと

 
使用者は労働者に対してかねてから
忘れ物の確認・車両の移動・接客以外は
休憩時間にあたると伝えており、
 
 
 
これに対して労働者は
近くで喫煙することがあったり
トイレ以外の理由でも
バスを離れることが許されていた
実態があったようです。
 
 
 
「バスを離れることが許されていた」
これが一番のポイントですね。
 
 
 
出発時間がある以上は、完全な
自由とまではいかないにしても
「バスを離れることが許されていた」
ということは
 
 
 
休憩時間と判断されるための
要素となり得るということです。
 
 
 
このケースを参考に自社の労務管理を
見直してみると良いでしょう。
加えて控訴審にも注目をしてください。
 
 

本日のブログのポイント
■休憩時間ということであれば、労働者がなるべく自由な時間を過ごすことができるような環境作りをすることがポイントのひとつです。場合によっては、業務をしなくてよいということを明確に示すと良いでしょう。

 
 
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