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■【後編】どのような時に従業員は労働基準監督署へ相談するか~休日数編~

昨日のポケットメモでは休日数をめぐる労働基準監督署への相談例を挙げましたが、中小企業にとっては適正な休日数の確保が壁になっていることがうかがえます。
 

【休日が確保できないときは時間外労働として賃金を支払う】

長時間労働が社会問題になっているときに、ベターな選択肢ではないかもしれませんが、労働基準法においては休日出勤をした場合に割増賃金を支払うことによってこの点に関する法令違反を避けることができます。
 
 「忙しいから休日労働をするが、払っていたら立ち行かないなどの理由で休日労働(時間外労働)の賃金は支払わないという状況にしてしまうから非常に大きな問題になるのですね。
 
 従業員が過労で倒れそうな状況では、適切とは言えませんが、休日労働の賃金を適切に支払うことで労働基準監督署の調査は比較的平穏に進む事例が多いことも事実です。
 
 どうしても休日の確保が困難という場合は、適切な時間外労働の賃金を支払うことも選択肢に入れましょう。
 

【とはいえ時代は時間外労働削減の方向へ】

休日労働に対する賃金を払っているから大丈夫ということではありません。
 
 「長時間労働=不適切」という風潮が広がり、残業が少なくワークライフバランスを保つことができる会社が称賛される傾向になることが予測されます。
 
 残業時間について制限が設けられることは、確実な状況ですが、明日からというわけではありません。施行日をゴールと決めて着実に削減の方向へ進んでいれば、ゆっくりで良いと思います。
 

【最低賃金は確実に上がっていくため生産性の向上は必須に】

労働時間の削減が加速する一方で最低賃金の上昇がボディブローのように効いてくることも考えまれます。
 
 最低賃金が上がるにつれて、各社が人手不足の解消を目的として求人の賃金を上げることも考えられ、生産性の向上は必須になってくるでしょう。
 
 国の政策においても生産性向上に関する予算が計上されているのでこの点は注目ですね。
 

【個性を出すことも必要】

1日の労働時間を増やして休日数を増やすとか、休日数は確実に確保できる程度に留めて、休暇制度を導入していくなど従業員の定着率を上げる手法はたくさんあります。
 
 どのような手法が自社には合っているのかを検討して、個性を出していくことが必要だと筆者は考えます。1日8時間と考えがちですが、変形労働時間制を採用して、8時間を超えるようにしても良いわけですね。
 
 新しい労働時間制度を導入することは、アレルギー反応が出ることもありますが、導入したからこその良さが見えてくると浸透していきますので継続的に検討をしていくことが重要です。
 

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年3月12日掲載-28)