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■平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果から学ぶ

 厚生労働省が2016年11月に実施された重点監督に関する状況を公表しました。労働基準法関係法令違反が認められたのは67.2%となっています。
 

【調査対象業種は製造業・建設業・運輸交通業で5割を超える】

調査対象となった事業場を業種で分けていくと、製造業・運輸交通業・商業・建設業の順ですが、

 特に運輸交通業・建設業については今後もこの傾向は続くと見込まれます

 
 これまで36協定の上限が適用除外となっていた業種に対しては、どうしても特別条項の適用を厳密にしている事業場と比べると管理が細かいところまで行われていない可能性があると考えるのも一理あると思えてしまいます。
 

【調査対象企業規模300人以上が4割・100人以上を含めると6割超え】

調査対象の企業規模は、300人以上が4割を超えるなど、中小企業の中でも中堅以上がターゲットとなったようです。
 
50人未満でも3割近くになりますので小規模だから当たらないということではないですね。
 

【1ヶ月の残業時間が45時間以内となるように指導をしている】

注釈を見ると「時間外労働・休日労働を1ヶ月あたり45時間以内とするよう削減に努め、そのための具体的方策を検討し、その結果、講ずることとした方策の着実な実施に努めるよう指導した」と記載があることから
 
 時間外労働・休日労働の時間数が45時間を超えていれば「削減に努めましょう」という指導を受けるということです。
 
 これに対して何か恐れる必要はありません。労働基準監督署としても45時間以内の残業となるよう検討をしてほしいという思いで行っているものです。
 

【自己申告制の時間管理が窮屈になる時代か・・・】

労働時間管理方法としては、タイムカードやICカードなどを利用している事業場を抑えて自己申告制がトップに上がっています。
 
 自己申告制は、かねてから過重労働問題や未払賃金問題の温床であるという批判が多くされていますが、統計的にもまだまだ多いことがうかがえます。
 
 業種や規模によっては、ここに投資をすることが難しい場合もあるのです。
 
 自己申告制=悪いではないと筆者は考えていますが、同時に
 
 自己申告制=問題が起きやすいという考えも持ち合わせています。
 
 厚生労働省が公表した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、自己申告制を採用している事業場に対して求めている対応は非常に手間がかかるもので、窮屈に感じる部分があります。
 
 自己申告制については、手法を十分に検討して、労働基準監督署や従業員から疑義を持たれることがないように進めていけば大丈夫です。
 
 例えば、助成金の要件を満たせるのであれば、活用をしてタイムカード等の導入をしても良いですし、自己申告制についてはあり方を検討していきましょう。中部労務管理センターではどちらの相談もお受けしています。

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年3月16日掲載-32)
 

【本日のブログに関するリーフレットや参照ページなど】

(労務管理資料お問い合わせ番号:00015:厚生労働省)
平成28年度過重労働解消キャンペーンにおける重点監督実施状況(平成29年3月13日公表:厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000154533.pdf 
(労務管理資料お問い合わせ番号:00016:厚生労働省)
監督指導事例(平成29年3月13日公表:厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000154517.pdf

※資料等のリンクはブログ投稿時点でリンクをしていたものです。リンク先が変更した場合など見ることができなくなることがございますのでご了承ください。