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■【後編】副業を認めるにあたり注意しておきたい4つのポイント~ダブルワークをするときに認識をしておきたいポイント~

昨日の前編では、ダブルワークの労働者を雇用する側の視点から見たポイントは挙げましたが、本日は、ダブルワークをする方が認識をしておきたいポイントです。
【前編はこちら】
 

【ポイント3:労働災害に遭った時の休業補償は合算されない】

労働基準法等の労働時間に関する規定の適用については、その労働時間を通算すると前編で書きましたが、いざ労災が起きた際には休業補償の補償額が合算されることはありません
 
どういうことが想定されるかというと、最も困るパターンは、
収入の低い副業をしている時に労働災害に遭ったときです。
 
 収入の少ない副業で遭った労働災害で休業補償を請求するときは、その補償の基礎となるものは副業で得ていた収入になります。この休業により、本業も休まなくてはならないにもかかわらず、受けることができる休業補償は、副業の収入を基礎としたものだけということになってしまうのです。
 
 休業をする期間が数日であれば、本業についても有給休暇とすることでカバーができるでしょうが、長期入院のようなことになると死活問題になりかねません。
 

【ポイント3の対策を講じることでアドバンテージとる】

ポイント3のようなデメリットが想定されますが、ダブルワークの増加の流れは変わらないことが予測されますし、貴重な人材確保の機会となることも間違いないでしょう。
 
 ダブルワークの従業員を雇用したいと考えた場合にポイント3の問題は、付いてまわります。
 
 そうであれば、雇用をする段階でそのリスクをカバーしてあげることで優位性を得ることを検討しても良いでしょう。
 
ダブルワークをする従業員を対象にした就業規則を作成しておくことも検討していただくと良いと思います。
 

【ポイント4:傷病手当金は社会保険の適用を受けている事業所分の給付と認識をしておく】

労災保険の休業補償とは反対に、本業では社会保険の適用を受けているが、副業では社会保険の適用を受けていないということは比較的多くのケースで考えられます。
 
 ポイント4は、本業と副業のどちらでも社会保険の適用を受けていない場合や、本業と副業ともに社会保険の適用を受けている場合(二以上勤務者)は、関係ありませんので先に押さえておいてください。
 
本業では社会保険の適用を受けているが、副業では社会保険の適用を受けていないという場合に「病気で入院をすることになった」とします。
 
 受給要件は複数あるものの、このような場合に一般的には健康保険から傷病手当金の受給をしますが、この傷病手当金の受給額を決めるために基礎となるものは副業のものは対象とならず、本業で得ていた収入が基礎となります。
 
 圧倒的に本業で得ていた収入の割合が多い場合は、それほど大きな問題にはなりませんが、
副業の収入割合が高いほどこの問題は大きくなるのです。
 
 ポイント3とポイント4は、ともに休んだ時の問題点ですが、このようなリスクがあることを十分に認識してダブルワークをしている方は少ないように感じます。
 自身の本業・副業がどのような形で成り立っているかを確認した上でダブルワークをすることがお勧めです。

お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年3月28日掲載-44)