■労働基準監督署の調査は2回目になると厳しくなるか~書類送検事例より~
五所川原労働基準監督署が、事業所の代表者を書類送検したという報道がされました。
(YAHOO!JAPANニュース:デーリー東北新聞社)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00010008-dtohoku-l02
この案件は、労働基準法違反があるとして是正勧告を受けた後に改善をしたものの再び調査をした際に再び違反が見つかったというケースです。
労働基準監督署が調査を実施して、その後の改善や運用の状況を一定期間が経過した段階でチェックをすることは珍しいものではありません。むしろ再チェックがくると思っていても良いくらいです。
【2回目はより厳しい目線で見られる】
今回の例が物語っているのは、一度指導を受けた後に繰り返し法違反をすると厳しいということです。書類送検をされている訳ですから悪質と判断されたのですね。
労務管理ポケットメモの中でちらほら触れている36協定の未提出のほか、賃金不払残業など程度としてはひどいということも今回の結論に一役買っているかもしれません。
この報道からわかることは、1回の調査を乗り越えたら安心ではないということです。
【指導された事項は改善と維持をしていくことが重要】
労働基準監督署の調査にあたり、一度は改善をしたもののその後の運用において再び元に戻ってしまうというケースを見かけることがありますが、せっかく良い方向に進んだのに元に戻ることは非常に危険です。
指導を受けて元に戻っている状態は、違法だとわかっていてやっているということですね。労働基準監督署の目線も厳しくなって当然と言えます。
【みつけた時に改善し一定期間ごとにチェックする】
とはいえ、会社の目的を達成するためにやることはたくさんあります。労働基準法だけを常々気にしていることは難しいでしょう。
一度指導を受けた事項というのは、元に戻りやすいということもあります。これについては、見つけたときにはその原因を分析して改善することですし、一定期間ごとに違反をしていることがないか確認をすることが重要です。
書類送検により、報道されては企業イメージは大幅にダウンし、お客様が離れてしまうほか、人材の確保も困難となります。放置していまった代償は非常に大きいですね。
【内部の確認が困難なときは外部へ】
社内で違反がないかを確認することは困難な場合は、社会保険労務士に依頼をしていただくこともひとつの方法です。あらゆる法令が目まぐるしく改正されますし、仲間を堂々と指摘することに躊躇するというお話を聞くこともあります。
中部労務管理センターでは、過去に労働基準監督署から受けた指導をもとに適切な運用ができているか確認する役目もお受けしております。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年4月15日掲載-62)