■固定残業代の支給は1円単位まで計算をして支給をしておくことがお勧め~固定残業制度を安定運用するために~
昨日・一昨日に続いて固定残業の運用について取り上げていきます。
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本日は、固定残業を安定運用するためにお勧めの記事です。
【固定残業は○時間分を1円単位まで計算して支給しよう】
残業をした場合に支払う残業代(残業単価)はそれぞれの給料から算出がされます。そして多くの場合は、残業1時間につき1円単位のところまで数字が出てきます。
通常の残業代が1円単位まで算出されるのだから固定残業についても○時間分を1円単位まで支給するということが自然な流れに見えるのですが、これがなかなかできていない会社が多いのですね。
1円単位まで支給しないことについて、不当な目的や怠慢な気持ちがないかは確認しておくべきです。
【一定額を支給する方法は1円単位まで計算するよりも弱いと考える】
固定残業として、例えば、50,000円とか30,000円とかを一定額で支払う方法がそれだけをもって固定残業を直ちに否定することになるわけではないと思います。
しかし、1円単位まで計算をして固定残業制度を運用している場合よりも安定運用という面では弱いと筆者は考えるのです。
一定額を支給する方法は、何時間分の残業に相当するかと計算をすると「○時間○分」という分単位の結果になることが多いでしょう。
例えば25時間18分に相当するものが固定残業として支給されていて、実際に25時間30分の残業をしたら12分の残業代を追加で支給しているか?ということをチェックすることをしていくことが必要になります。これは手間ですよね。
【人によって固定残業の時間数が違うことも煩雑に】
人によって固定残業として支給する時間数が違ってはいけないということではありませんが、それぞれ給与額が異なると一定額で固定残業を支給している場合は、人によって何時間何分という時間数が自ずと異なるものになっていきます。
一定額で払っている会社の方がその支払いですべてを済ませたいと思っている場合が多い傾向があります。
労働基準監督署が見る場合においても、一定額しか支給がされていなくて、追加の支給の気配がないと、実際に何時間の残業をやっているかなど記録を追っていくことになると考えられます。
固定残業を安定した運用にしたいと考えるのであれば、一定の時間数を1円単位まで計算して(端数は切り上げておきましょう)、支給をしておくことをお勧めします。
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年6月12日掲載-120)