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■~監督指導事例【3】~平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果から学ぶ

厚生労働省が2016年11月に実施された重点監督に付随して指導事例を公開したことに関する第3段です。一般貨物自動車運送業が受けた指導です。
 
 こちらの事業所は、従業員の方が過労で倒れなくて良かったなぁ考えさせられるものです。倒れていたら会社の責任は非常に大きく、経営者も労働者も快適な環境ではなくなる状態を招くことになるでしょう。
 

【36協定を出していない】

平成29年1月に厚生労働省が公表したパンフレットのタイトルが「36(サブロク)協定のない残業は法違反です!!」となっているのは、この事例がきっかけではないのかと思えます。
 
 36協定の届出をせずに残業をさせることは違法です
 
 これからの働き方改革に関連した報道の中でこのことは繰り返し出てくるでしょうから従業員の皆さんも36協定に対する理解が深まってくることでしょう。
 
 調査をすれば実態はわかってしまうのだから
 実際に必要な時間を検討して堂々と36協定を届け出る
 
 現状に対してこれができていないからこれだけの社会問題になっているのであり、自分の会社だけができていないと思う必要はありません。できていないのであれば、法令違反をして隠すのではなく、変化をしていけば良いのです。
 

【休憩時間が与えられていない】

運送業界は、よく報道で問題にされている事項ですね。休憩時間というと食事をする時間として利用が多いと思いますが、車の中で運転をしながら食べてしまうから休憩時間がないというものですね。
 
 仕事を終えるために効率化を考えると食事を車の中でするという行為につながるのでしょう。
 
 一方で業務の効率化のために休憩時間を確保していないは労働基準監督署には通用しません。
 
 原則として、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上の休憩時間を付与しなければならないこと、そしてその休憩時間は労働者が自由に使うことができなくてはならないということを再確認しておきましょう。
 

【雇入時の健康診断を実施していない】

1年に1回の定期健康診断は比較的実施していると思いますが、本指導事例のコンビニ編(http://chuburoumu.com/archives/742)で掲載した、深夜業に従事する場合の健康診断や雇入時の健康診断は、適正に実施している割合は少ないのではないかという印象です。
 
 「なぜやっていないのか?」の直球にあるある回答は、
「もうすぐ定期健康診断があるから」ですが、「もうすぐ」が半年後だったりすることもあるんですね。
 
 健康診断の結果を把握して管理をしていかないと違う労務トラブルを巻き起こします。法令で決められているから実施するということはその通りですが、実施することで別の労務トラブルを発生させないことが重要なのです。
 
お問い合わせ電話番号:052-414-5603(2017年3月19日掲載-35)
 

【本日のブログに関するリーフレットや参照ページなど】

(労務管理資料お問い合わせ番号:00015:厚生労働省)
平成28年度過重労働解消キャンペーンにおける重点監督実施状況(平成29年3月13日公表:厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000154533.pdf 
(労務管理資料お問い合わせ番号:00016:厚生労働省)
監督指導事例(平成29年3月13日公表:厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000154517.pdf

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